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口臭の原因は9割以上が口の中に!!

口臭とは

口の中にはもともと何百億という細菌が住んでいます。これらの細菌が口の中の食べカス、はがれた粘膜細胞、歯周ポケットからの滲出液などに含まれる「たんぱく質」を分解する時に口臭のもとになる臭気成分「揮発性硫化物」が作り出されます。この成分が口から吐き出されると悪臭と感じ、口臭となります。

15歳以上で15~20%に口臭があるといわれ男性の方が女性よりも口臭が強いというデータもあります。

口臭の臭気成分
  1. メチルカプタン
    • ・・たまねぎの腐ったような臭い
  2. 硫化水素
    • ・・卵の腐ったような臭い
  3. ジメチルサルファイド
    • ・・キャベツの腐ったような臭い

これらの成分を口臭の3大揮発性硫化物といいます。

口臭の種類
  1. 生理的口臭
    • 程度の差はあるが、健康な人でもある口臭
  2. 病的口臭
    • ◎口腔内に原因があるもの
    • 舌苔、歯周病、虫歯、唾液の減少などによる口臭
    • ◎全身的な疾患に原因があるもの
    • 胃腸、呼吸器などの疾患による口臭
  3. 心因性口臭
    • 検査をしても口臭が認められない自分で思い込んでいる口臭
  4. 外因的口臭
    • 臭いの残る食べ物、お酒、タバコなどによる口

あなたは口臭が気になりませんか?

あなたの息は大丈夫ですか?
    面と向かって、「あなたの息、臭いですよ」とはなかなか言われません。
     (子供は容赦ありませんが・・・)
    自分ではなかなか気がつかずに、家族からの指摘によって気がつく人が多いのです。

    私たちは集団で社会生活を営んでいるので
    人間同士のコミュニケーションが重要となります。

    口臭があると相手に不快感を与え、自分は恥ずかしい思いをします。
    ある人は、口臭が原因で心理的負担から行動が消極的になり、他の人とのコミュニケーションが うまく出来なくなってしまいました。

    山の奥や無人島などで、他の人との関わりがなければ口臭も気にならないでしょう。

    しかし、現代社会では人とのコミュニケーションは欠かせません。
    だからこそ、口臭の存在が深刻な悩み、苦しみになってしまうのです。

    <保健福祉動向調査(1999年)> では
    口臭を気にする人の割合は、
    15~24歳・・・ 7.6%
    25~34歳・・・10.1%
    35~44歳・・・17.7%
    45~54歳・・・20.7%
    55~64歳・・・18.0%
    65~74歳・・・14.5%
    75~84歳・・・ 8.5%
     85歳以上・・・ 8.5%

    地域では
    大都市   ・・・14.2%
    その他の都市・・・14.8%
    郡部    ・・・13.8%

    年齢とともに増加し45~54歳でピークを迎えそれ以降の年齢では減少しています。
    男女比や地域差はほとんど無いようです。
    ただし、この調査は口臭に対する自覚症状を聞いたものなので、実際に口臭があるかを 調べたものではありません。

    私たちには、生きていくうえで必ず誰でも臭いが発生します。(生理的口臭
    個人差もありますが、 口臭が少ない(全く無い人はいない)のに、非常に気にする人
    また、口の中が不潔で非常に強い口臭のある人でも
    ・すごく気にする人
    ・全然気にしない人
    ・自分の臭いの気がつかない人 
     など口臭のある人でも様々な反応があります。

口臭の定義
    「呼吸や会話時に口から出てくる息が、第三者にとって不快に感じられるもの。」
    ここで問題になるのは
    嗅覚は主観的なもので、同じ人が同じにおいを嗅いでも、体調や精神状態によって受け止め方が異なる場合があるということです。

    また、嗅覚の特徴として
    「同じにおいを長時間嗅ぎ続けると、そのにおいに慣れて反応しなくなる」ということです。

    この順応性により、自分の口臭は自分ではなかなか気がつきにくいのです
    したがって、口臭を他人から指摘されて初めて気が付き、口臭について深刻に悩む人が多くいるのです。

    口臭は世界共通の悩み事で
    英語では「Bad breath (悪い息)」
    口臭がものすごく強い人の息を「Dragon breath(ドラゴンの吐く炎の様な息)」と言われます。

        口臭症=Halitosis
    「息」を意味するラテン語「halitus」と
    「異常な状態」を意味するギリシャ語「-osis」を合成したものだと考えられています。

    口から出てくる息が臭って、異常な状態ということになります。

       
口臭物質とは
    H2S [硫化水素]
    CH3SH [メチルメルカプタン]
    (CH3)2S [ジメチルサルファイド(硫化ジメチル)]
    これらの揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれている物質が原因になります。

口臭の原因となるもの
    口の中からの口臭
    ・歯科的な病変(炎症、粘膜、病的舌苔など)由来のガスの発生
    ・清掃不良・不良補綴物(合わない金属)による口腔内の病的細菌環境の悪化
    ・口の中の自浄性、恒常性維持が低下し、細菌が活動性が上昇することによるガス発生
    ・口の中の乾燥

    ○ 口の中にいる細菌は、新陳代謝ではがれた粘膜上皮、血球成分、細菌の死骸などのたんぱく質成分を分解して、上記3種類の揮発性硫黄化合物(VSC)を作ります。

    これが口臭の原因になるにおい物質です。

    口臭の強さは、細菌の量・質、汚れの量、唾液の量などによって変わってきます。

    呼気からの口臭
    ・耳鼻科的病変からの直接的臭気
    ・内科的問題による血液中への代謝産物による呼吸気への臭気物質の排出
    ・服用薬剤などによる口腔生理機能の低下や薬物自体の臭気
    ・鬱などの精神的要因による生活習慣性の自律神経失調症候群
    ・先天性代謝異常(魚臭症・・・トリメチルアミン尿症)

口臭の分類

真性口臭症
    社会的許容限度を超える明らかな口臭が認められるもの

    生理的口臭
    ・器質的変化、原因疾患のないもの
    ・起床時(最も強い)、空腹時、疲労時など
    ・朝は唾液の分泌量が減っている+細菌が増えている
    ・生理中も口臭の出る人がいる。

    病的口臭
    ○ 口腔由来の病的口臭
    歯周病、舌苔、大きな虫歯などがほとんど
    ○ 全身由来の病的口臭
    耳鼻咽喉、呼吸器系疾患など
    ― 仮性口臭症 ―
    本人は口臭を訴えるが、社会的容認限度を超える口臭が認められず、検査結果などの説明により訴えの改善が期待できるもの

    ― 口臭恐怖症 ―
    真性口臭症、仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないもの

    ― 心因性口臭 ―
    本当は臭わないが、自分で思っている

    ― その他 ―
    飲食物、嗜好品・・・タバコ、にんにく、お酒、栄養ドリンクビタミンBなど(吸収されて肺から出る)
    ○にんにく、ねぎ、ニラなどのにおいのある食品を食べたり、お酒を飲んだ後は誰でも少し臭います。

    自臭症について

    自臭とは
    ・自覚的・非病的口臭のこと
    ・治療の必要のない生理的口臭や社会的容認限度内の微細な口臭のこと。

    起床時口臭
      睡眠中の唾液分泌低下による口腔内細菌の増殖と口腔内恒常性機能の低下

    空腹時口臭
      空腹による口腔生理機能の低下唾液の性状の変化

    飲食・喫煙など嗜好による口臭
      口腔内環境変化に伴う恒常性維持機能の低下舌表面への臭気物質の定着

    生理時・妊娠時・更年期時・思春期時口臭
      血中ホルモンの変化や代謝が関与する呼気性臭気唾液臭による口腔内臭気

    緊張時口臭
      即時的、持続的精神不安や持続的口腔内緊張による口腔生理機能低下

    しかし、一時的な起床時や緊張時などの生理的口臭を他人に指摘されたのがきっかけで自臭症になることがあり、 同級生に思春期口臭を指摘されたことが引き金になった若年者も多くいます。
    また、性格的要因(内向性等)伴なうと、口臭に対する対外的な不安で極度の緊張を起こすようになります。
    そのため、緊張時口臭が特定の条件下で頻繁に発生するようになりそれを自覚することでさらに緊張し、緊張時口臭の慢性化がおこります。

    こうなると、人前で話をしなくなったり、行動が内向的になりやすくなり、普段の生活でも口を閉じ気味になります。その結果、口腔生理機能が低下することで口臭が発生しやすい口腔環境になってしまいます。

    ただ、自臭症は非病的口臭で通常会話距離では客観的に臭気を認めません。
    しかし、本人は自覚的な臭気(生理的口臭・口元から数センチの距離で認知できる微細な口臭)があるため、口臭の悩み、精神生活などの低下を招きます。

    また、人とのコミュニケーションにも影響を及ぼしはじめ、自分では感じている口臭を家族や医療機関で理解してもらえないことで、対人不信や医療不信につながり、精神的問題にまで発展して しまうこともあります。

    ○ 自臭 ○
    本人が自覚する口の中の不快や臭気時々の発生だが本人は常にあると錯覚する生理的口臭であることが多い

    ○ 他臭 ○
    他の人が感じる口臭
    常時口臭があるために、本人は気がつきにくい明らかな原因疾患がある病的口臭

    嗅覚の特性について

    嗅覚はその人の主観に大きく影響を受けます。 これは、「いったん気になりだすと、余計に感じやすくなる」 ということです。
    なぜなら、臭気ガスの刺激量と感じる程度の量との間には 特殊な関係があるからです。
    それは  I=K logC
       I・・感じるにおいの量
       K・・定数
       C・・臭気ガス物質の量
          (ウェーバー・ヘヒナーの法則)
                     と表されます。
    感じるにおいの量は対数的(log)なので、
    仮に、 元のにおい量が90%無くなっても、本人は半分しか無くなっていないように感じます。

    では、元のにおいが99%無くなっていて、他覚的にはまったく感じなくなっていたら、本人はどう感じるでしょうか?
    なんと・・・
    それでも本人は、まだ1/3も残っていると思うようになります。
    この嗅覚の特性によって、本人が気にすればするほど
     「非常に低濃度」の臭気も感じるようになってしまうのです。

    口臭のにおいについて

    口臭の大半は口の中の汚れや病気が原因になります。
    口臭は、においのある食品(餃子・レバニラ・納豆など)を食べたり、ビールなどのアルコールを飲んだ時hは
    たばこを吸っている人の息とは別のにおいがします

    口臭では、口の中の細菌がたんぱく質を分解して、硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドなどの硫黄を含んだガスを作ります。

    硫化水素のにおい
     腐った卵のようなにおい
    ジメチルメルカプタンのにおい
     血生臭い・魚や野菜が腐ったようなにおい
    ジメチルサルファイドのにおい
     生ごみのようなにおい

    どれか1つでも、嫌なにおいですが、口臭はこれらが混ざった においなので、誰もが不快に感じます。
    これとは別に全身の病気が原因の口臭には
    ○呼吸器系(肺がん、肺膿瘍)
    ○消化器系(胃がん、食道気管)
    ○耳鼻咽喉系(扁桃炎、咽頭膿瘍、喉頭がん)
      これらの疾患は「タンパク質の壊疽臭」
    ○咽頭、気管支、肺のカンジダ感染
       「甘いにおい」
    ○糖尿病
       「アセトン臭」
    ○肝硬変、肝臓がん
       「アンモニア臭」
    ○トリメチルアミン尿症(腎障害)
       「魚臭」
             などがあります。